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大韓航空機内乱闘事件の真相はいかに

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ピーナッツ・リターン騒動に始まる一連の騒動で、何かと話題の大韓航空。そんな大韓航空の機内でまたひとつ事件が発生した。


歌手のBobby Kim(ボビー・キム)が、大韓航空の機内で泥酔状態になり、女性乗務員にセクハラをしたという。ワインを6杯ほど飲んだのちに乗務員の腰に抱きついたり、足を触ったり、「ホテルどこ?」「電話番号は?」などの発言をしたと伝えられている。Bobby Kimといえば、数々のドラマのOST(オリジナル・サウンド・トラック)へ参加し「ドラマOSTの帝王」と呼ばれるほか、韓国HIPHOP界の重鎮としても名を知られる人物だ。そんな彼がどうして機内で泥酔状態になり、暴れるような行動に至ってしまったのか?気になる記事を見つけたので紹介したい。

※この記事は、Bobby Kimを擁護する意図で書かれたものではありません。機内で泥酔し、乱闘を起こしたことはじゅうぶん非難に値することだと考えています。

 

まずBobby Kim本人の公式立場について、彼は大韓航空側への不満を以下のように伝えている。

本人のマイレージポイントを利用して最初からビジネス席を予約しました。しかし大韓航空側の発券問題でエコノミー席に座ることになりました。大韓航空側に引き続きこのことに対する不満を提起しましたが、航空社の職員たちはビジネス席が空いているにもかかわらず座席を元通りに変えてくれませんでした。

問題はここだ。「ビジネス席を予約したにも関わらず、大韓航空側のミスでエコノミー席を発券された。不満を伝えたが、対処してもらえなかった」果たしてこんなことをが起こりえるのか?それについて詳しく検証している韓国の記事があったのでいくつか抜粋して紹介する。

韓国の公共放送「KBS」のニュース記事である。この記事では、以下の4つの論点からこの事件を検証している。

  • なぜ窓口職員は「ビジネス席」ではない「エコノミー席」の発券ミスを犯したのか?

Bobby Kimは、多くの報道で伝えられている通り、アメリカ国籍者だ。英文のフルネームは「KIM ROBERT DO KYUN」である。しかし、その日エコノミー席を予約していた、別の「KIM ROBERT」がおり、職員がこれを勘違いしてBobby Kimににエコノミー席を発券したという。
チケットの発券時、窓口の職員は必ずパスポート等を通して本人確認を行った後、チケットを発券しなければならない。しかしこのプロセスで1つミスが発生している。
航空機事故、あるいは他の非常事態時、搭乗者名簿がどれほど重要かは言うまでもない。搭乗者名簿を正確に確認することこそ、航空会社の業務の基本中の基本だ。しかしこの基本業務を疎かにしたため、結果的に、座席のアップグレードという「顧客の正当な主張」を受け入れることができなくなった。

  • 「本人確認」を怠った大韓航空のミスは、1度ではなく2度起こった?

Bobby Kimは、チケット発券時には気づかなかった、ビジネス→エコノミーへの変更を、搭乗後に知った。そして、座席が間違って割り当てられたということを乗務員に伝え、正当な席への割り当てを要求した。乗務員は、「機内では座席の変更処理は難しい」と、最も近い乗り継ぎカウンターに行って、「チケットの変更」をすることを提案、乗務員とBobby Kimは飛行機から降り、一番近い乗り継ぎカウンターへ行った。
しかしこのカウンターの職員がもう一度同じミスを犯す。先の職員のミスと同じように、また「KIM ROBERT」のマイレージ情報を検索したのである。本来、顧客のマイレージ情報を問い合わせるには、生年月日・フルネーム、電話番号など本人確認手続きを正確に経る必要がある。しかし乗り継ぎカウンターの職員はやはり、基本中の基本である「本人確認」を疎かにした。そのため、Bobby Kimに、マイレージが不足しているということを通知した。
(実際Bobby Kimは、座席をアップグレードするのに十分なマイレージを所有していた)

  • それは「同意」だったのか?

結局、Bobby Kimはビジネス席にチケットを変更することができず、機内に戻り、エコノミー席についた。Bobby Kimのエコノミー席着席について大韓航空は、「Bobby Kimが同意した」と表現したが、Bobby Kim側は「同意」という表現が腑に落ちないという。航空機の遅延は、明らかに大韓航空側の業務処理の未熟さが引き起こしたことであるのに、その負担をBobby Kimに押し付ける形にした。Bobby Kimは、自分のせいで出発が遅延しているというプレッシャーのなか、やむを得ずエコノミー席を利用せざるを得なかったにもかかわらず、である。
果たしてこれを「同意」と言えるだろうか。
加えて、大韓航空側のミスで、ビジネス席にいるはずのBobby Kimがエコノミー席に座ったせいで、結果的にエコノミー席は+1のオーバーブッキング状態になった。この状況で大韓航空は、規定に従って一番高い金額でエコノミー席を購入したある女性客を、ビジネス席に無償でアップグレードした。これにより、ビジネス席を購入した乗客はエコノミー席に、エコノミー席を購入した乗客はビジネス席に座ることになった。
これを知ったBobby Kimはさらに腹を立て、アルコールを要求し、不始末を起こしたのである。

  • それは「甲の横暴」になるのか?

「甲乙」という表現がある。契約書などで使われる表現だが、韓国では「甲」は強者、「乙」は弱者を表す。
<甲>本社 <乙>フランチャイズ店といったものから、<甲>会社 <乙>社員など、いわば上下関係を表す言葉である。日本で似たような表現があるとすれば、「お客様は神様」だろう。そして、韓国ではその「甲」の横暴が近年大きな問題になっている。(ナッツ・リターン事件はその代表格と言ってもいいだろう) 本Bobby Kim事件においても、「甲の横暴」という言葉を使う言論が多くあるが、果たしてそれは正しい表現なのだろうか。
誰でもBobby Kimと同じ状況になれば腹を立てるだろう。言論は、Bobby Kimが横暴にふるまったということではなく、「機内で騒乱を起こした」という点に注目しなければならなかった。誰でも腹を立てるだろうが、それでも機内で酒を飲んで騒乱を起こしはしない。一時間ほどの騒乱の間、他の乗客は不安に感じただろうし、乗務員の業務の妨げにもなった。Bobby Kimが、絶対にしてはならないことをしたのは間違いない事実だ。

また別の記事では、セキュリティについてこのように伝えられている。

Bobby Kimは、パスポートに記載された名前とは違う名前の搭乗券を持って仁川国際空港の出国審査、セキュリティチェックを通過し、搭乗口を経て飛行機に搭乗した。仁川空港公社、法務部出入国管理事務所、航空会社と、3度にわたり乗客のパスポートと搭乗券を比較して確認したにもかかわらず、わからなかったのである。これに大韓航空の適切な処理不足が加わり、結果的にひとりの搭乗券で2人が飛行機に搭乗するという事態が発生した。
出入国管理事務所の関係者は、「英文の名前が長い場合、航空券には途中までしか記されていない場合がある」とし、「KIM ROBERT」という名前が一致し、搭乗券を所有していたことから同一人物と判断したという。

 

Bobby Kimの過ちをかばう気持ちはない。明らかに、機内での行動は誤った行動であったし、どんな方法でも責任を負い、反省する姿を見せるべきだ。Bobby Kim側は全ての過ちを認め、主要番組からの降板という形で、自粛の時間を持つという意思を表明した。
しかし、原因を提供した大韓航空を忘れてはいけない。今回の事件を、「一部職員のミス」または「泥酔した乗客の乱闘」と、責任転嫁をするのではなく、基本業務処理システムやサービス業務処理全般を再検討する契機となればと思う。

このような問題が起こってくると、やはり多少のめんどくささがあろうと、搭乗券の予約時にパスポート番号の入力をさせることを必須にするべきではないだろうか。名前だけを確認するのであれば、同姓同名の他人の情報で予約をし、自分のパスポートで出国することもできるし、今回のケースのようにマイレージ情報にアクセスさせることさえもできてしまうのだから。

また私自身も大韓航空マイレージバンク「SKYPASS」のユーザーであるが、私の同姓同名(会ったことないが・・)の人が同じ便のビジネスクラスを予約しており、間違ってビジネスクラスの航空券が割り当てられることも夢ではないというわけだ。そんな淡い期待を膨らませながら、今日のエントリを終わりにしたい。